みなとみらい特許事務所

所長・弁理士

辻田 朋子

扇子を持ったAI Samurai
: みなさん、こんにちはでござる。拙者の名前はAI Samurai 人工知能を用いた特許審査シミュレーションシステムでござるよ。まずは、拙者の自慢の審査システムを知財の専門知識で支えくれる弁理士の仲間達を紹介させていただくでござる。彼らの名は「Samurai Masters!」かっこいいでござるね~。

第2回

辻田 朋子

第2回目のゲストはみなとみらい特許事務所の所長、辻田 朋子弁理士

今回の取材で2人目となるMastersの方は、オンラインで商標登録の依頼受付サービスを開始し、IT活用の先駆けとも言えるサービスを展開する、みなとみらい特許事務所の辻田朋子(つじたともこ)所長弁理士でござるよ。みなとみらい特許事務所は2010年の創業以来、「日本の中小企業の支援」をミッションとし、特にスタートアップ企業や中小企業の特許・商標出願の支援に力を入れているでござる。「会社の未来のために必要なサービスを、リーズナブルに受けられること」を大切にされている辻田所長は、日本の技術競争力の底上げに貢献したいというAI Samuraiの理念に共感して頂いたAI Samuraiのユーザーでござる。中小企業の知財戦略のあり方に対する考え方やAI Samuraiに期待する未来、AI活用を進める中で見えてきた新しい弁理士像や組織像について、AI Samurai社の白坂一CEOと拙者で辻田所長の思いに斬り込んでいくでござるよ。

ITを活用したサービスの強み

数の力でサービスの質を高める

白坂CEO(以下、白坂):本日は宜しくお願いします。オンラインで独自の商標検索や出願の依頼ができる、ToreruやCotoboxなど、AIを使った商標システムも今では色々と出てきていますが、オンラインで商標依頼を受け付けるという意味では先生のところが先駆け的な存在だったのかと思います。開始当初はやっぱり周りから何か言われましたか?

辻田先生(以下、辻田):多少はありましたね。ITが問題というよりは価格設定の問題だと思っていて、お客様にご指示いただけたのも費用的にリーズナブルだったからという、そこに尽きると思うんですね。中小企業さんにとって費用ってすごく重要な問題で、ITかAIかは置いておいて、とにかく「いいものを安く手に入れたい」というのが共通する心理で。その点では、同業界から「価格競争を引き起こす可能性がある」との目で見られるというのは、少なからずあったとは思います。

白坂:料理で例えるなら、”高いフレンチを出したけど、安いおにぎりとかラーメンがあって「安い方に流れる」ってフレンチのシェフが怒っている”みたいな状況に似てませんか?”そうは言うけど、そもそも値段にあうサービスを提供できてないんじゃない?”っていう疑問はありますよね。

辻田:安くてもきちっと社内の情報の処理の仕方とかITを活用すれば、今いったフレンチと同じような質のものが提供できると思ってるんですね。数の力で。少しの案件を一生懸命分析するよりも、たくさんの案件を分析して情報集約すれば、それ以降は少ない工数でできると思うんです。安かろう悪かろうではないところでちゃんと価格を見極めてきたつもりですし、正直いうといまお客様からも同業他社からも「内容もいいよね」と。侵害対応とかその辺のアドバイスとかも含めて、どんなに小さいお客さんでも一社一社アフターフォローをやっているところがあるので、そういう意味ではサービス内容として独自のポリシーを持ってやっています。

:辻田所長が安価な価格帯でも成功できたのは、オペレーション管理にあったようでござるね。業数の力を利用することで経験曲線効果を高めていき、さらに実務で得た情報と知見を意識して分析していくからこそ、安価かつ十分な価値を提供できているでござるね。では、ここ数年特許出願数が増加している、中小企業の知財マーケットについて話を聞いてまいろう。

スタートアップや中小企業の
知財戦略はどうあるべきか?

必ずしも調査に費用をかければいいとは限らない。
裁判外解決に全力をそそぐというやり方

辻田:うちも特許調査は必ずやっているんですね。大企業だと、例えば特許調査に12万~20万くらいかける場合も多いですが、大企業の視点ではリスク回避とかコンプライアンス順守の重きが大きくなるので、「もれがなく」っていうことが非常に重要視されるんです。一方で、私が中小企業やスタートアップを見ていて思うのは、理想を言えば、ちゃんとクリアランスして、自分の技術の周りにある特許の状況を把握して戦略を立てて、ってなるんでしょうけれども、そこにすごい資本投下しすぎると・・・

白坂:負担が多すぎますよね。

辻田:まず開発を進めて市場の反応を見て、ということをスピード感を持って進めないといけない時に、そこにお金を使いすぎるのはよくないと思っていて。もう大体把握しているんですよ。本当の競合というか、同じようなサービスを提供しているようなところとか。だから私がいつもスタートアップの方が悩んでいる時にいうのが、「そこだけ把握してクリアにすれば、仮にちょっと規模感のある企業の特許を踏んでいたりしても、交渉とかでなんとかなるので、なんとかしましょう」と。だから「簡易調査だけでいいと思いますよ。だからそれだけしましょう」、みたいな。

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