株式会社AI Samuraiは2021年4月から、大阪大学と北陸先端科学技術大学院大学による発明創出AI®企業として生まれ変わります。
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株式会社AI Samurai(エーアイサムライ、本社:東京都千代田区 以下 (株)AI Samurai、代表取締役 ⽩坂⼀)は、これまで大阪大学発のベンチャー企業として活動して参りましたが、先日北陸先端科学技術大学院のベンチャー制度、第一号案件としても認定されました。これを受け、AI Samuraiは大阪大学と北陸先端技術大学院大学との産学連携を主体とした発明創出AI®企業として生まれ変わり、イノベーション企業や研究者のみなさまの課題解決をより一層支援して参ります。
【背景】
2015年9月に「日本発のイノベーションを届けよう 世界へ」をスローガンに産声をあげた株式会社AI Samurai(旧名 ゴールドアイピー)は現在まで、日本を代表する製造業、情報通信産業、医療関係の企業様を中心に『AI Samurai®』の販売実績を積み重ねて参りました。基幹技術である『AI Samurai®』は世界で初となるAIを利用した特許類似文献評価システムです。2019年には電子情報技術産業協会が主催する「JEITA 最優秀ベンチャー賞」を、2021年3月の金融庁等が協力する「FIN/SUM2021 オンライン・アイデアソン」では最優秀賞を受賞するなど、数々の賞を受賞させていただきました。
この成果を達成する推進力の背景には、大阪大学と北陸先端科学技術大学院大学との共同研究があります。
旧帝大の一つとして数々の国際賞受賞者や世界トップクラスの研究者を輩出する大阪大学と、学士過程を持たず大学院での教育に重点を置く国内初の大学院大学として先端科学技術の高度な研究開発を行う北陸先端科学技術大学院大学の2つの大学が持つ、最先端の情報科学、知識科学などの知見を弊社独自の類似特許検索技術と融合させ、顧客企業様の課題解決に挑んできました。
■大阪大学との関係
大阪大学について
大阪大学は、1931年に第6番目の帝国大学として創立された国立大学です。江戸時代後期の医師・蘭学者の緒方洪庵により設立された適塾の流れをくむ旧大阪医科大学との統合によって設立されたことから、開学当初は医学部と物理学部のみで構成された大学でしたが、2007年の大阪外国語大学との統合を経て、現在では11学部・16研究科を擁する国立文理総合大学として2021年に創立90周年を迎えました。また、江戸時代中期に大坂の町人たちが設立した学問所である懐徳堂の蔵書類が戦後、文系学部に提供されたことを受けて私塾・学問所の流れを汲んでおり、「地域に生き世界に伸びる」をモットーとして、これまで数々の国際賞受賞者を輩出してきました。
グラフマイニングを用いた特許文章の解析/判定に関する共同研究
弊社は『AI Samurai®』サービス提供開始当初の2018年より、大阪大学大学院 情報科学研究科マルチメディア工学専攻(現)鬼塚真教授とともに「グラフマイニングを用いた特許文章の解析/判定」に関する研究を進めてきました。鬼塚教授の研究成果であるビッグデータにおけるグラフマイニング技術と言語解析処理技術を融合させることで、特許文章の解析および特許審査のシミュレーションが可能となり、現在の『AI Samurai®』の提供が実現しました。2019年6月には大阪大学吹田キャンパスにAI技術融合開発研究所を開設、阪大・鬼塚研究室との連携を強化し、AIと特許検索技術の高度な研究拠点とするとともに、西日本エリアに本社を置くクライアント企業に対する迅速な情報発信・サービス提供を行うマーケティング拠点として展開してきました。
阪大発ベンチャーとしての展開
このような活動をもとに、大阪大学の研究成果を活用した特許審査シミュレーションシステムの開発を加速させることによって、AI Samuraiが産学連携企業として優れた発明創出支援に貢献する可能性を評価され、大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長 神保敏明)を無限責任組合員とするOUVC1号投資事業有限責任組合から、2018年10月30日に1億4,000万円、2019年7月31日に約1億5,000万円の計2回の出資を受けました。こうした経緯で、AI Samuraiは大阪大学発のベンチャー企業として開発・提供の初期段階から大阪大学との綿密な連携のもと、『AI Samurai®』のサービス拡充に努めて参りました。
■北陸先端科学技術大学院大学との関係
北陸先端科学技術大学院大学について
先端科学技術分野における国際的水準の研究を行い、それを背景として大学院教育を実施するため、学士過程(学部)を持つことなく独自のキャンパスと教育研究組織を持つ我が国で最初の国立大学院大学として平成2年10月に創設された国立大学です。平成16年4月から国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学に移行し、令和2年10月に、開学30周年を迎えました。主に産官学連携をはじめとする高度な科学技術に関する研究開発を行っており、最先端の科学技術の追究とともに、大学院大学のパイロットスクールとしての役割を開学以来継続して担ってきました。
人間とAIの協働関係構築に関する共同研究の実施
弊社は2019年1月より、北陸先端科学技術大学院大学 知識科学系の神田陽治研究室とともに「人工知能と弁理士・特許技術者のパートナーシップに関する共同研究」を開始しました。サービス科学、知識科学を主な専門とされる神田教授の研究室では、企業や組織におけるサービス価値の創造に着目し、サービス知識の創造・共有・活用のプロセスを研究しています。弊社との共同研究においては、AI技術を利⽤して特許出願書類の作成を⽀援する弁理⼠・特許技術者に対し、インタビュー調査等を通じて弁理⼠や特許技術者が⼈⼯知能と協働関係(パートナーシップ)を構築する過程で必要となるプロセスの実証・検証を進めてきました。これまでも研究から得られた知⾒は『AI Samurai®』の改善に反映され、製品開発の促進に役⽴てられています。
今春、ベンチャー制度 第一号認定へ
弊社代表取締役CEO ⽩坂⼀は、 北陸先端科学技術⼤学院先端科学技術研究科博⼠後期課程(知識科学系 神⽥陽治研究室)を2021年3⽉に修了し、博⼠(知識科学)の学位を取得しました。今回の博士論文でも、AIと弁理士の協働による進歩性の判断がどのように行われているか、その過程と課題を研究しています。これら、神田 陽治教授との共同研究の実績及び取組が評価され、国立大学法人 北陸先端科学技術⼤学院⼤学が制定した、大学院大学での研究成果の社会還元及び研究成果の活性化に資する目的で制定された北陸先端科学技術⼤学院⼤学発ベンチャー制度の第⼀号案件として2021年2月に認定されました。【2つの大学発のベンチャー企業として産学連携を強化。発明創出AI®企業へ】
2018年秋より、これまで弊社は大阪大学発のベンチャー企業として活動して参りましたが、先日、北陸先端科学技術大学院大学のベンチャー制度、第一号案件としても認定されました。今回の認定を受け、弊社は大阪大学と北陸先端科学技術大学院大学による産学連携を主体とした発明創出AI®企業として生まれ変わります。
その目指すべき姿は、今も多くの人を苦しめている新型コロナウイルスのような世界共通の課題を解決するために果敢に挑んでいく日本のイノベーション企業・研究者様に対し、弊社がより深く、より誠実に貢献していくことです。脅威から皆様を守るために弊社はどのような貢献ができるのか。創業理念である、お客様の研究開発戦略を推進させていくことこそが弊社の社会的責務だと信じ日々邁進して参ります。
【『AI Samurai®』について】
『AI Samurai®』は特許庁が公開する特許公開公報と特許公報をデータベース化し、類似する先⾏技術の事例から出願予定の特許の登録が成⽴する可能性をランク別に評価するAI特許審査シミュレーションシステムです。
従来、数週間を要していた先⾏技術調査が数分で可能になる斬新なプロダクトとして2019年3⽉に第4回「JEITAベンチャー賞」(電⼦情報技術産業協会)を受賞しています。また、初めて使⽤する⽅でもすぐに操作できる直感的なインターフェイス、AIを擬⼈化したチャーミングなキャラクターについて2019年のグッドデザイン賞(公益財団法⼈⽇本デザイン振興会)を受賞しています。