特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所 所長 弁理士 岡村 隆志 氏
NEWS
この記事をシェアする
弁理士として、大事にしている事
地方の弁理士が思うこと、産業振興に寄与する支援を
白坂CEO(以下、白坂): 岡村先生今日はよろしくお願い致します。まず岡村先生には自己紹介と言いますか、どういう先生かご紹介したいなと思っています。先生が弁理士になられたきっかけは何ですか?
岡村先生(以下、岡村): 私は長野市生まれですが、もともと運輸関連の企業に勤めておりました。そこで車両の開発ですとか知的財産関係の仕事をやらせて頂いていました。開発がひと段落したところで知的財産部門に行きなさいという異動の辞令があって、そこからですね。ただやはりお付き合いする会社というのは、知財の専任部隊が何百人もいる会社とお話をしなければいけないという状況でした。最初は全く歯が立たなかったので、少し専門的に勉強するかというところからこの道に入りました。そして、資格をとって。会社に不満があったというわけでは全くないのですが、地元に戻って長野市にある綿貫事務所に所属しました。
白坂:先生が非常勤講師をされている信州大学はこんな特徴の大学だよ、というものはありますか?
岡村:地域との繋がりが強い点ですね。積極的に地元の企業と組んで、新しい技術を使ったビジネスを展開していこうというところは結構力を入れています。
白坂:素晴らしいですね!
弊社はAI Samuraiという名前通り、AIを扱っていますが、先生から見て、AIには難しい、弁理士にしかできないことは何だと思いますか?
岡村:AIの進歩は急速ですからね、本当に。我々がいなくても特許制度というものが構築できるように、いずれなるだろうなと思います。ITの方々もそういうところを目指されていらっしゃると思います。でも、そうはいってもそこまで行くのはもう少し先ではないかと。ですので、我々が今一番力を入れていることは、やはりご相談があった時に直接出向いて、複数の技術者の方々とお会いして、物・製品を直接見ながらお話を聞くというところを大事にしています。出願依頼をされてお伺いしてお話を聞く場合も、いきなり「どこの国に出しますか?」という話ではなくて、もう少しその先を見据えたビジネス展開、別の言葉でいうと知財戦略としてご提案できるようにしていくというところを心がけています。
白坂:なるほど。そういう意味では企業でお勤めになった経験なんかも生きそうですね。
岡村:それはありますね。やはり企業の論理というのは企業にいないとなかなか分からない部分もあると思うのです。結局私は、知財戦略というのは経営戦略そのものと言っても過言ではないと思っています。ですので、もう少し広い見地で、単に順番に出願して提出しますよ、という対応ではなくて、ビジネス展開を見据えた戦略立案の形でのアドバイスを十分できているかは分かりませんが、心がけたいなと思っています。
白坂:お客様側から考えると第三者的に言ってもらえるのがありがたいという側面もあるかと思います。
岡村:そうですね。そういう意味では地方を拠点にして地方の会社様のところに出向いてお話するのは、地の利はあるのかなと思っています。東京の事務所も依頼すればもちろん来てくれるけれど、短時間で来られるような距離にいる事務所でないと、やはりなかなか依頼しづらいというのは実際あるようです。なので、東京の事務所にはあまり地方に行かないようにして頂いて(笑)。
白坂:(笑)。