権利行使におけるAI活用の可能性

溝田:あとさっき、権利行使とその価値評価みたいな話をしましたけど、大企業は特許いっぱい持っているじゃないですか。売ったりもしているんですけど、積極的に権利行使すべきなのではと思うんですよね。そもそも財産権ですから、活用しなければ意味がないと思うんですけど、でも権利行使は日本ではあんまりやらないじゃないですか。もちろん知財部の人員の数とかも減っているので、活用すると言っても全部ハンドリングするのはすごく大変だとは思います。アメリカだと裁判に巻き込まれたり、カウンターで打ったり、っていうのはよくあると思うんですけど、日本では大企業同士がライセンスしているだけで、裁判に打って出たりすることってそんなにないじゃないですか、中小企業でも。別にいきなり裁判じゃなくても、ライセンスを細かくとっていくとか。そういうのが良いと思うんですよね。それが結果的に協働してオープンイノベーションに繋げていくっていうことも可能だろうし。そういう切り口があっても良いと思うんですよね。知財部員の存在価値にもなってくると思うし。

白坂:知財の活用をより積極的に行っていく必要はあっても、日本の企業も実はすでに世界で戦える知財力を持っているのではと。

溝田:持っている企業はたくさんあると思いますね。今までの日本経営とかそうじゃないですか。大きい企業、エクセレントカンパニーもみんなそうだと思うんですけれども。少なくとも国内では大企業同士でしか使ってないイメージがあるので。財産権を活用するっていうのは開発投資の回収ですから、別に何も間違ってない。より活性化させていくべきだと思うんですよね。

白坂:そういう世界でAIがもっと活躍できるところってどこですかね。

溝田:一番日本で問題なのは、権利行使先を探してくることですよね。それができたらすごい。

白坂:実はその点についても、権利活用システムを作ろうと動き始めています。

溝田:やった方がいいですよ。

白坂:イメージとしては、特許データと製品情報をアップロードして自動クレームチャート作成。というサービスです。

溝田:それはできるでしょうね。製品情報をAIが拾ってこられるのってwebしかない思うんですけど、勝手にwebで拾ってくる。アップロードした製品情報を言葉にして対処するというところはできそうな気がするんですけど、勝手にどこかからこれが刺さっているんじゃないか、みたいな感じで「製品情報をとってくる」というところ。できなくはないけれど、それって人がやるとすごく大変だから。じゃあ「今期100件活用します。みんな探してきてくれ!」ってやったところで、みんな大変じゃないですか。その分野に詳しいとは限らないし。

白坂:「あたりをつける」のもAIのこれからやっていけると。

溝田:やれるし、一番なんかいい分野だと思います。ニーズがありますよね。
世界中のものを探せたらすごいいいですよね。
今やらなきゃいけないというか今後やらなきゃいけないと思うのは、広い意味での権利行使というか活用ですね。ベンチャーとか中小は多分価値評価という増えてくるし、大企業中堅は活用。本当の権利行使ですね。そこにAI SamuraiとかそういうAI系のリーガルテックが活躍する場があるとしたら、そういったニーズに刺さるところだと思うんです。価値評価っていうのも一つのニーズですよね。いろんなwebの情報を取ってくれば、このマーケットの市場規模はこのくらいで、ライセンスとロイヤリティは仮に転用でも参考値になる。この分野だとだいたいこれくらいです、自動で何円です、って出すとか。
今はそれを人がやっているわけですよね。僕も価値評価の仕事も結構あるんですけど、僕が計算しているわけですよ。それはそれで当然裁判例に基づいて、マーケット×ライセンスロイヤリティ×残分年数。そういうのはAIの方が全然得意じゃないですか。

白坂:これからやっぱりAIが価値評価と知財のライセンス権利行使先を選定する。そういうのが重要だっていうことですかね。本日はありがとうございました。

:今日は弁理士や弁護士の先生方のお仕事について、多くのことを勉強できたでござる。先生方の力があってこそ、権利行使を意識した特許の質が完成できるのでござるね。知的財産に対する溝田先生の熱い想いは拙者も同じでござる。AIである拙者が少しでもお手伝いできる部分を見出しつつ、先生方と一緒にもっともっと知的財産を盛り上げて行きたいでござる!
溝田先生、今日はインタビューにご対応いただきありがとうでござる!

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