溝田:だから結局素の状態で評価するしかないんですよ。評価手法みたいなものも色々ありますよ。コストアプローチ、マーケットアプローチ、ロイヤリティアプローチとか色々あるんですけど、あんまり相場がないんで。結局全然値段違うし。その辺は政府とか、それこそ特許庁が主導でガイドラインを出すとかっていうのはやったらいいと思いますね。
あとは「素の状態で評価する」っていうことですよね。ビジネスの市場があれば評価できるじゃないですか。だってそこは[ビジネス売り上げ]×[ロイヤリティ]が、一応潜在的な特許の価値になるじゃないですか。というのは、そのマーケットで使わざるを得ないような、必須的な特許であるという前提ですけど。逆算して考えるとその必須的な特許がもし一件しかなければ、ライセンス料全部もらえるわけじゃないですか。だって一兆円のビジネスだったら、1%だったら100億円になるわけですよ。少なくともそれぐらいの価値はある。じゃあどういうところに中小企業は気をつけないといけないかっていう質問だったと思うんですけど、それは、そういう特許を取りなさいっていうことなんですよ。

白坂:なるほど。

溝田:それって結局でも最初に言った、2つのポイントと共通するんですよ。結局、ポイント抑えた特許をとっているか。技術的に正確なだけじゃなくて、公知技術に比して、ちゃんと技術的な特徴を切り出して、それぞれで取れているか。ということと、裁判になっても勝てるバリエーションがいっぱいあること。分割があるとか。それによっても大きく価値が変わりますよね。その時に忘れちゃいけないのが、これも最初の話に繋がるんですけど、日本だけで取っているとやっぱり安くなる。やっぱPCT使ってうまく海外に出していくことが重要ですよね。結局日本だけの市場だとどんどんどんどんシュリンクしていくものがほとんどなので。やっぱりこれからは例えば東南アジアでいくとか、伸びていくような市場だったらそこで特許があることってすごく重要になるし、価値にはすごく影響してくるし。M&Aの時にはすごく重要になってくると思いますね。日本だけでしか特許出してなかったらやっぱり安くはなるだろうし。だって言ったらマーケットがね。世界で売り上げが一兆円って言っても、日本だけだならひょっとして200億かもしれないし。そしたら100分の2になるわけですよね。そういう計算です。

:裁判やライセンス、さらにM&Aなど様々な権利行使のケースにおいても、やはり大切なのはポイントを抑えた特許かどうかということでござるね。その点は弁理士の先生方の力にかかっていると言っても過言ではない一方で、溝田先生にはAIである拙者にどんな魅力を感じてもらっているのか。少し緊張するけれど、もう少し具体的に直撃してみるでござる。

AIの得意領域を生かした未来像

イノベーションは人間の領域。AIで発明の提案をサポート

白坂:溝田先生から見て、AI Samuraiの魅力はなんだと思われますか?

溝田:正直AI Samuraiって、すごくイノベーティブだと思うんですよね。検索をしたり分析するソフトウェアはいっぱいあったわけですよ。でもAI Samuraiはそれで終わりではなくて、分析したものを、予想というか何かアウトプットに繋げるという。分析そのものじゃなく違うアウトプットに繋げて、要するに評価をしてくれるんですけど。今後発明提案機能みたいなものがつくかもしれない。
ちなみに「AIが出てくると人の仕事なくなる」みたいな話ありますけど、AIの多くは統計による分析だと思うんですよ。だからなくならないんですよ。0を1にはできない。例えば世の中で流行っている音楽を分析して、似たようなヒットソングみたいなものを作る機能はあっても、新しいジャンルのヒットソングを作ったりはできないじゃないですか。だから、イノベーションは起こせないと思うんです。AI Samuraiのこれからの可能性としては、発明提案機能みたいなのができるわけじゃないですか。でもそれは人のイノベーションっていう、人の仕事を奪うわけじゃないから別に問題ないと思うんですよ。どんどんやっていけば良いと思うんです。

白坂:実はもう「明細書生成支援機能」っていうものを開発中なんです。

溝田:そんなのあるんですか?

白坂:はい。溝田先生には、ちょっと見て頂きたく。

:明細書生成支援機能とは、AI Samuraiの調査結果を利用して、特許出願書類の作成を半自動で行い、出力できる機能でござる。実際に画面を見てもらいながら、溝田先生にデモンストレーションを体験してもらったでござる!

溝田:おおー!!便利ですね。枠作らなくていいってことですよね。

白坂:明細書生成支援機能っていうのはまだリリースはしてないんですがいまプロトタイプ作成中です。AI自体が発明の名称を考えるのはまだ難しいので、発明の名称と効果は、私が入力しています。ここで作成ボタンを押すと、AI Samuraiが頑張って明細書的な書類を自動で生成してくれると。

溝田:おおーすごい!!

白坂:出願書類をアップロードして、それをベースにするとか。そういうことができるようになります。

溝田:それは大きく人のコストが削減できるかもしれないですね。

白坂:そうですね。なので先ほどの溝田先生の、件数を100件、200件中小企業は出せないっていう前提をけっこう覆せるんじゃないかと。

溝田:いいじゃないですか。時間を短縮できるっていう部分でもね。やはり僕はいっぱい出せばいいとは思ってないので、一件ずつ時間をかけて、一件あたりの費用とかコストをかけた方がいいっていう形なんですよね。なのでこれがあれば、それがある程度可能になるじゃないですか。
弁理士の仕事も、これを使って時間短縮をしつつ、チェックや修正をするという仕事スタイルになるんじゃないでしょうか。でもやはり未だAIだけでは難しい。共通することを分析してアウトプットとして出すのはAIは得意だと思うんですけど、じゃあどこが、その本当に裁判的にいったら強いポイントなのかとか。さっき言った公知技術に対する技術的特徴はどこかとか。っていうのはAIなかなかまだできないと思うんですよね。だから弁理士の仕事っていうのはまだまだなくならないと思うし。逆にいうとそういった付加価値が提供できる人でなければ生き残っていけないかもしれない。だから技術的に正確なことを記載するとかっていうのはAIは得意だと思うんですよ。それこそそういう分野の明細書とかをたくさん読ましせ、同業者みたいな括りはある程度できるかもしれない。だから得手不得手というか、AIをうまく使うべきだと思うんですよね。

白坂:AIの課題でいうと、発明のポイントを見出すようなところはちょっと苦手だから、弁理士の先生や弁護士の先生と連動してやっていくべきだ、ということですよね。

:褒めていただいて嬉しいでござる(照)。読者の皆さまには未だお見せできないのがちょっと残念だけれど、現在拙者の力をパワーアップ中でござるので待っていて欲しいでござる。ちょっと嬉しくなってきたので、溝田先生、他にも拙者に期待してくれていることはあるでござるか?

1 2 3 4